CC

CG study (After Effects, Nuke, Maya...), English study and more.

Saturday, December 23, 2017

[Nuke][CG]ウェビナー解説:クラウドで作業できるシステムElara

発表されてから個人的に注目していたFoundryのクラウド作業システムElara。Nuke他 Foundry製品や、Maya, Houdiniなどの作業が完全クラウドででき、プロジェクトとして管理できるシステムです。
最近ウェビナーがあったので紹介と、解説を。自分のメモも兼ねて。
ウェビナーは録画されてこちらで見られます。

Elara in Action: a scalable VFX pipeline using the elastic power of the cloud

ウェビナーはデモに約20分、イントロダクションとQ&Aに約40分という構成です。
Elaraは来年4~6月ごろ発売予定で、まだまだ検討中、開発中、外部会社と契約交渉中の段階。現時点で全てが完成された製品ではありません。ウェビナーでは大枠の紹介、いろいろな詳細はまだ未定、という前提で解説されています。

デモ内容をざっくりと、ウェビナーのスクリーンキャプチャとともに。

Elaraにログインした画面。使えるアプリの一覧が。


プロジェクト設定画面。プロジェクトはshotgunにリンクできる。
プロジェクトごとのセキュリティレベル設定、ユーザーを追加、ユーザーごとにアクセス権限を設定などができる。


プロジェクトに対して「自分の」クラウドスペースに同期設定をする。(大手クラウドサービスなら大体対応)ここからElaraがデータを読み込み、Elaraのクラウドサーバーストレージでキャッシュを作り、作業いう流れ。


「Entitlements」というアプリ使用のライセンスを買う。ライセンスは月ごとの支払い。フローティングライセンスと同じ考え方で、プロジェクトに登録されているユーザーがライセンスを譲り合って使用できる。


ワコムタブレット使用可能、ハイレゾモニタ対応。ネットフリックスをストリームできるだけのネットワークスピードがあればストレスなく作業できる。Nukeのギズモなど使用可能。 


Maya使用画面。ポリゴン多くても問題ないよっ!とアピール。こんな感じで本当に大枠を知ってもらう程度にざくっとデモ終了。


続いてQ&A
(私が理解した範囲で抜粋してます。技術的に私が聞き慣れない範囲の内容にも触れているのでもしフォローや間違いがあればコメントください。)

複数モニタ対応は?10bitスクリーンモニタ対応は?
-対応できるようにしたい

既に持っているソフトウェアライセンスを移行できるか?
-今はできない。将来的に対応検討

セキュリティレベルは?
-ディズニーでも使われているセキュリティプロコトルを使用

OSは?
-全てLinuxベース

データを製作後、他ユーザーがアクセスできるようにデータは残るのか?
-Yes. Elaraのストレージに残る。Elaraのストレージはある程度の初期容量がパッケージに付いてくるが、容量を増やしたい場合は、追加料金。

ソフトのサードパーティプラグインは使えるか?
-できるだけ対応できるようにしたい。対応してほしい特定のプラグインがある場合は、サポートに連絡を。自分で作成したプラグインやスクリプトは対応可能。

Ocula対応?
-Yes. VRのヘッドセットに映像を映すためには物理的にマシンと繋がっている必要があるので今の所は技術的にできないが、対応策を検討中

セッションログは残るか?
-Yes.ファイルアクセス、作業の履歴などが見られる。

ファイルのバージョンコントロールはできるか?
-No. プロジェクトごとに求められるものが違うのでElaraでは提供しない。しかし、自己開発した設定をElaraに組み込めるようなプラットフォームにしてある。

モニタのスペックを認識するか?
-Yes. 解像度、モニタの数は認識する。カラープロファイル、LUT設定の認識は、現時点では無理だが対応できるようにしたい

値段設定?
-まだ他社との交渉もあるので詳細はないが、Nukeの場合は一月 USD600-800位になる。ここにワークステーション使用代、Elaraのシステム使用代が入っている。プラス、レンダーサーバー使用は1分使用ごとに請求される仕組み。Elaraのクラウドサーバーストレージ容量を増やしたい場合は、追加料金。将来的には1時間ごと、1日ごとの料金設定も検討中

使用可能エリア?
-どこでも使用可能だが、データサーバーの地理的な位置が作業効率に影響する。現在あるデータサーバーはベルギー、西海岸。これから増える予定なのは東海岸、東ヨーロッパ、シドニー。

うちの会社のシステムと統合できるか?
-発売されてから検証する必要がある

インターネットスピードは?反応速度?
-50-80mbあれば大丈夫。スタバのwifiでも、快適ではないが使用に耐えられるレベル。ユーザーから一番近いデータサーバーに接続する。

ファイルの同期?
-Elaraはローカルファイルの相互同期に対応。どのファイルを同期するか選択できる。

オーディオファイル?
-Teradici技術によってオーディオファイルの同期が可能。webブラウザ越しの使用はサポートされていない。

オーディオストリーミング?
-Teradici技術をElaraに完全統合してから詳細を発表する

Avid, Final Cut?
-現時点では使用できない

クラウド越しに使用するワークステーションのカスタマイズ?
-現時点では、ユーザーがカスタマイズできるようにはしていない。将来的にはユーザーによるマシンの選択権限も含めて検討可

なぜキャッシュ以外は外部クラウド(GoogleやDropboxなど)に頼るシステムなのか?
-Elaraはあくまでもプラットフォームを提供するというコンセプトの元デザインされている。自分のデータを完全に管理できる権限を持ってもらうため、ユーザーには外部クラウドを使ってもらう。

Elara内のデータマネジメント?
-Teradiciのテクノロジーをベースにして管理される

API?
-公開されるのでユーザーの好きな仕様にカスタマイズできる。OrbitというデスクトップクライアントのAPIも公開するので、ファイルの同期仕様のカスタマイズできる

教育版?
-現在は開発していないが是非将来的に作りたい

トライアル?
-β版があるので試したければコンタクトを。発売したら、トライアル版の提供をする

ファームでなく作業に使用しているワークステーションでレンダリング?
-可能。この場合レンダリングに対する請求は発生しない。現在のβ版ではredshift対応。


以上です。
私がウェビナー見ながら思った疑問:
レンダリングしたものをリアルタイムでプレイバック可能なのか???
ユーザーごとのアプリ(Nuke, Mayaなど)環境設定はできるのか???

まだまだコスト面含め未知数な部分が多いですが、時代にあった新しい作業スタイルを提供するという点ですごく興味深いので引き続き発表される情報に注目したいと思います。試用版が出たら、誰かと一緒に使ってみたいですね!

No comments:

Post a Comment